散策

散策その1

奈良は、女房と二人での散策が常でしたが、今回はいつも個展でお世話になっております、ギャラリー玉英の沖田さんと3人で散策です。
写真美術館にて奈良・大和路を撮り続けた入江泰吉の遺作を見学し、日本最古の十二神将に会いに新薬師寺へ、沖田さんに作品の参考にした天平時代創建の本堂屋根の鬼瓦をそっと指さし。
足早に昼時たいへん混む、そば店にてあったかそばを頂き一休み。
静かな散歩道、ささやきのこみちを進み、鮮やかな朱色の社殿の春日大社へ。


鹿やおみやげ店、そして若草山を横目に歩みは三月堂へ、堂内にはなんと国宝・重文の仏像が16体安置されています。散策第一の見せ場です。3人ともただ、言葉なく諸像を見つめるだけの静寂の時を過ごしました。
お水取りで有名な二月堂から奈良市街を一望し、東大寺南大門にて仁王を見上げ、戒壇院では天平彫刻の傑作、国宝四天王像にため息をつき、国立博物館にて奈良の寺に伝わる仏教美術を観賞する。中々中身の濃い一日を過ごしました。

歩き続けたおかげで博物館でのお茶がとても美味しかったです。
お疲れ様でした。


散策その2

日本の美展の翌日、安芸の宮島へ行ってきました。
今回は沖田さんと散策です。広島駅から宮島口まで電車で25分、フェリーで島まで10分。プチ観光のはじまりです。
宮島は松島・天橋立と共に日本三景の一つにあげられます。弘法大師により開かれた霊峰弥山を背景に厳島神社を中心に社寺が点在する「神ノ島」とよばれ、古くから信仰を集めてきましたと、ガイドブックに書かれてあります。

記念撮影の定番スポットから海中に立つ大鳥居を眺め、奇抜で優美な建築の厳島神社を見学。幕末に勝海舟と桂小五郎が和平会談をした大願寺。豊臣秀吉が安置した本尊・波切り不動を祀る大聖院と廻り、千畳閣、五重塔へ至りました。

散策もう一つの目的、穴子丼と焼き牡蠣・・。ビールと食した二品は美味でした。
民芸店で買った色鮮やかな張り子が散策のおにやげになりました。
美味でしたので、あなご弁当を帰路の新幹線でいただきました。


追伸

広島日本の美展にてトークショーしました、多くの方の前で緊張しました。各会場にご来場頂いたみなさまありがとうございました。

四国・徳島へ

初めての四国行きは20年振りの寝台特急を選びました。
ゆっくりのんびり寝て行こうと思ったのですが、なかなか眠りに落ちず、列車は瀬戸大橋を渡り始めました。
ねぼけ眼で見下ろした瀬戸内海の景色は最高でした。
四国へ渡り、高松駅で乗り継ぎの合間にうどんを食べ、徳島駅へ。手荷物を預けいざ鳴門へ。


大鳴門橋から真下に見るうず潮は迫力満点。
しかし、高い所の苦手な私には苛酷な45メートル下の渦の道見学でした。

足の震えが残るまま徳島に戻り、阿波十郎兵衛屋敷へ。
係りの方にゆっくりと阿波人形浄瑠璃の特色を解説していただきました。
ただ、上演を見られなかったのが残念。

夕方、お世話になります、徳島そごう店へ。
夜は美味しい地酒と肴で一杯。長い一日も夢の中へ。

無事終了しました個展の翌日、讃岐のこんぴらさんで知られる琴平へ。
駅からの参道は古い構えのみやげ物屋、旅館などが並び昔ながらの門前町のたたずまいを残してました。
そして、長い長い785段の石段を登り本宮にて、こんぴら参り。

江戸時代には、お伊勢参りと並んで庶民の憧れとなっていました。
展望台より讃岐平野を満喫し、下山。

地ビールとこんぴらうどんを食し、旧金毘羅大芝居の金丸座へ
桟敷、花道、回り舞台、奈落、楽屋、ぶどう棚天井などすべて、昔のまま。
ここで歌舞伎を観られたら感動だとつくづく思いました。

こんぴら参りと金丸座見学に満足して、石段登りの疲れが出はじめた頃には居眠りの中、列車は松山へ。

道後温泉の湯につかり疲れを癒し、美味しい料理とお酒を堪能して、夢の中へ。
次の日は、温泉街でひときわ目立つ木造建築の道後温泉本館、かわいい坊ちゃん列車、正岡子規記念館。ロープウエイで松山城天守閣など、足早な観光をして帰路に着きました。


四国、良かったです。また訪れたいです。

また、個展ご来場のみなさま、ありがとうございました。

手箒

鑿、彫刻刀、鋸、その他諸々の道具
その中の1つ仕事で出る木っ端を掃く手箒、以前購入した二本目も限界。

偶然今回、横浜そごうで実演する職人さんに再会。さっそく購入。
70歳をすぎた手つくり箒職人の嶋村さん、いつまでもお元気で。
また、お話しお聞かせ下さい。

横浜そごうでの個展にご来場下さった方、ありがとうございました。

工房10年

工房を開いて10年になります。簡単に振り返ってみます。

工房を開いてすぐ腎臓結石が悪化し手術、入院生活を送る。
22年続いた師弟関係も些細な言葉のすれ違いが原因となり絶縁状態に。
数年後、人づてに師匠の死を知ることに。
また、心を通じた友の2人が続けて亡くなり、私には精神的に辛く、重かった前半の5年でした。

後半の5年は精力的に個展を開いていたことが功を奏し、
2004年聖豊社企画にて日本橋高島屋にて個展、三越本店にて木彫秀作展出品。
2005年ギャラリー玉英企画にてアートフェア東京出品、西武・そごうにて個展。
今も百貨店を中心に作品を発表し続けています。

10年変わらないこともあります。

破門された私を唯一信用して、仕事を送って頂いた社寺建築の英社長。
この会社が普請したお寺の本堂、山門など数多くの建築彫刻・扁額彫刻は今も続けて彫刻させてもらっています。
社長には心から感謝しております。

また、イタリア料理の「タント・タント」、地鶏串焼き「長右衛門」の2店は接客・サービス・メニューなど店の姿勢が変わりません。
良き店です。夫婦で通っています。

私もこの先10年、20年と変わらないでと思っています。

さて、今年第1弾の個展です。よろしくお願い致します。
会場には毎日居ります。

石川時彦木彫展
2009年3月25日(水)〜31日(火)
午前10時〜午後8時(最終日は午後4時にて閉会させて頂きます)
日本橋高島屋6階美術工芸サロン