桜花

上野公園、満開の桜の下での花見。
酒宴を横目に18歳の青年は、都美術館へ公募彫刻展を見学に行きます。
これが私の一年の展覧会行脚の始まりでした。
日本美術展は東京国立博物館へ、西洋絵画展は国立西洋美術館へと秋の数多い公募展まで続きます。超一流のものから・・・ん?と思うものまで数知れず観賞するのです。只々見続けるのです。
最初は勉強の為と強制でしたが後は自主的に、結果15年通いました。
長い年月の観賞は自身の肥やしになりましたが、弊害も生じました。
独りよがりの偏見的評価をする、利己的な観賞術を身に付けてしまいました。
若気の至りとはいえ、30代までこれを通しました。
しかし、段々自責の念に駆られ、反省したのが40代になってからでした。
人並みに行かないで遠回りするのが私の性格らしいです・・・?

追伸・桜花は歳の数だけ愛でる事が出来ます。41回の友、51回の知人、
そして古い友は48回目の桜を愛でることなく逝きました。